④健康には運動よりも寝る事

前述の通り、腰痛を治したかったら、運動をするよりも寝ていた方がよっぽど改善はします。

でも、運動をしないでいたら筋肉がなくなってしまうという反論を当院のお客様からいただくことが度々あります。

では運動せずに筋肉を付けたかったらどうしたらいいのでしょうか?

それは、そもそも皆さんが筋肉をつけなければいけないという意味を間違えてとらえています。

健康的で長生きをしたいというだけの理由で筋肉を付けたかったら、実はすでに皆さん十分な筋肉をお持ちなのです。

一生自分の足で歩けるように筋肉を付けたかったら、買い物に行ったりする時に歩いて行きますよね?その時に歩いていれば買い物に行くだけの筋肉は自然と付いてきます。

腰が痛くならないように腰に筋肉を付けたかったら、立って生活していれば腰が体を支えるだけの筋肉が十分に付いてきます。それだけで腰には十分な筋肉なのです。

そうなんです、普段の生活をしているだけで、筋肉が自然と付いていることに気付いていない人がほとんどなのです。

それなのにスポーツジムに行って走ったり、筋トレしたり、いったい皆さんは将来何になりたいのでしょうか?

マラソン選手や重量挙げの選手にでもなりたいと思っているようにしか見えません。

マラソン選手になりたかったら、毎日走って筋肉をつけ、心肺能力を鍛えればいいですし、重量挙げの選手になりたければ毎日重い物を持ち上げて筋肉を鍛えればいいのです。

一般の人がスポーツで活躍する事を目的としていないならば、日常生活を送るだけで十分に筋肉は鍛えられています。長生きする為に筋トレをする必要は全くないのです。

必要なのはエレベーターやエスカレーターでなく階段を使うこと。自転車や車でなく歩くこと。たまには床を雑巾がけしてみたり、雑草をむしったりすること。

また、私が運動を薦めない理由は、運動によって体を痛める人が非常に多いからなのです。

運動をして疲れたら、体は「疲れたから休ませてくれ」と言ってきます。

それを無視してさらに運動を続けるから、腰や膝に痛みを出して、「腰や膝が痛いから体を本当に休ませてくれと」体は言うのです。

それでも、マッサージをしたり、痛み止めの薬を飲んだりして運動を続けるので、体はもっともっと強い痛みを出して「本当に本当に体を休ませてくれと」と強いメッセージを出し、最終的には手術をしなければいけないというほどの深刻な状況になってしまうのです。

運動こそが健康だと思っている人たちは、そこでやっと運動をやめることが出来るわけです。

また、お医者さんの中にも運動が健康に良くないという方もいらっしゃいます。過度な運動は細胞を劣化させる活性酸素を大量に発生させるので、運動は体に良くないというのが理由のようです。

ただし、運動が全く必要ないというのは昔の話なのかもしれません。人間本来の本能のままに生活をしている時は完全に運動は必要がありませんでした。

原始時代などでは食べ物を確保するために、農作物を耕し、狩りや漁に出る。
毎日の仕事が運動や筋トレのようなものでそれが本来の人間の生活でした。

仕事で残業する事もなく、テレビに夢中になって夜更かしをする事もない。睡眠にしっかりと8時間を費やし健康には理想的な生活をしていたことと思います。

人間の遺伝子には原始時代のように本能的な生活をする事で健康を維持するDNAが体内に刻まれてきました。

アウストラロピテクスと言う最初の人類が生まれたのが300万年から400万年前といわれています。

それが原始時代の終わるつい先日、2000年ほど前まで続きました。300万年から400万年かけて本能のままに生活するDNAが形成され、それを今でも我々は引き継いでいるわけです。

法律を作り、服を着て、商売をしながら生活するようになったのはわずか2000年ほど前から。

まだまだ我々には原始時代のような生活を送ると健康になれる、本能に従った生活をした方が健康になれるといったDNAの方が強く残っているのです。

さらに、人間の生活が変わったのが戦後まもなくしてからです。

それまでは、手洗いで洗濯をしたり、マキを割って火を起こし食事を作ったり、床掃除で雑巾がけをしたりして、日常の生活をするだけでも今より多くの筋肉が必要でした。農作物を育てる方も多かったことでしょう。

それが、機械やロボットの誕生で、体を動かす必要がどんどん無くなって行ったのです。

車や電車が誕生し、歩くことが少なくなり。

洗濯機や掃除機を使えば、労なく家事が出来てしまう。

便利な生活になって行くうちに、体を使う事もなくなって行ったのです。

そして、多くの筋肉を必要とする生活はなくなりました。

ただし、ある程度筋肉があれば健康を維持できるポテンシャルが人間にはあります。だから運動も多少はしてもいいはずです。

とは言っても、運動量としては20分ほどお散歩する程度の運動で充分。

それだけで、一生自分の足で歩く筋肉を維持出来るのです。

正しい散歩は、荷物を持ってしてはいけませんし、犬のリードを引きながら行ってもいけません。手ぶらで両手を振って速足で歩くことが正しい散歩です。そうすることで、正しい姿勢で歩くことが出来るので健康になって行きます。

ですので、買い物へ行ったり、会社へ行ったり、犬の散歩と一緒というのは散歩のうちに入りません。

散歩は散歩として、散歩だけを目的に行うべきものなのです。

人間一日で必要な運動時間は20分程度。人間一日で必要な睡眠時間は8時間程度。

健康に掛ける時間から見ても、運動より寝る事の方がよっぽど大事なのです。

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