ほとんどの方が、骨のズレは左右にしかズレないと思っているのではないでしょうか?
体の歪みにしても左右にしか歪んでいないと思っていると思います。
「左肩に比べて右肩が上がっている」とか「骨盤の高さが右の方が高い」とか。
しかし、前述の通り、体の歪みは左右と前後に歪みます。さらに骨のズレは左右、前後、上下と3方向にズレるのです。
では第一頸椎のズレと言った場合、具体的にどのように第一頸椎がズレるのかをイラストで説明していきましょう。
まず左右のズレとは、第一頸椎が本来の位置より、右に行っているか、左に行っているかということです。
右に行っていたら、右から押してあげれば元に戻りますし、左に行っていたら左から押してあげれば元に戻ります。
次に前後のズレです。
第一頸椎は輪になっていて、その輪の中に第二頸椎の歯突起と呼ばれる部分が入っています。
ですので、第一頸椎はその歯突起に引っかかるので真っ直ぐ前や後ろには動きません。
しかし、真っ直ぐには動きませんが、歯突起を軸にして回転する事があります。
この第一頸椎が回転している状態のことを前後のズレと呼びます。
そして、どのような状態を前と呼んで、どのような状態を後ろと呼ぶのかというと。
まず、第一頸椎が右にズレているのか、左にズレているのかを見ます。そして右にズレている場合は第一頸椎の右側を基準とします。
そして、第一頸椎が反時計回りに回転していたら、右側の部分は前に動きますので、前にズレているとなり、時計回りに回転していたら右側の部分は後ろへ動きますので、後ろにズレているとなります。
逆に第一頸椎が左側にズレていたら第一頸椎の左側を基準にして考えます。
そして最後に上下のズレです。
上下のズレでは、第一頸椎の前の部分を基準に考えます。
第一頸椎の前の部分が下に下がっていれば、下にズレているとなり、前の部分が上に上がっていれば、上にズレているとなります。
この上下の歪みは第2章で説明した体の前後の歪みに関係します。
顔が下を向いていれば体は前に歪んでいて、第一頸椎は下にズレています。逆に顔が上を向いていれば体は後ろにズレていて、第一頸椎は上にズレています。
第一頸椎のズレを取るには、これら3方向のズレを取る必要がありますが、枕の高さ調整では上下のズレだけを取ります。
寝ている状態ではこの上下のズレを取るだけでも第一頸椎の神経圧迫はなくなり、体の機能は劇的に向上します。
そして、この3つのズレている方向を見つけるのが施術者の腕の見せ所。
評判のいいカイロプラクティック院ではこの3方向のズレをしっかりと見つけることが出来ているでしょうし、逆に評判の良くないカイロプラクティック院ではこの3方向のズレをしっかりと見つけることが出来ていないのです。もしくは、そもそも骨が3方向にズレる事を知らないところがほとんど。
さらにもっと細かく言うと、同じ方向のズレだとしても、ズレ幅やズレている角度がどれだけ大きいのかも考慮しなければいけません。
施術ではこの3方向のズレを1ミリ単位、1度単位で正確に取る必要があり、ここも施術者の腕の見せ所となるのです。