自分の確認方法を見つけ、バスタオルを重ねて、ピッタリの枕を作ることが出来たと思います。
しかし、枕の高さの調整はこれで終わりではないのです。
枕の高さは寝ていると、時間とともに低くなっていくので、タオルを1枚ずつ下げていく必要があります。
では、なぜ枕の高さは寝ていると低くなっていくのでしょうか?
それは、体の姿勢が変わってくるからです。
枕の高さは壁の前に真っすぐ立った時に、頭と壁との間の距離であることは前に説明した通りになります。
猫背の人は、枕が高くなり、姿勢の良い人は枕が低くなる。
寝ている時に枕をピッタリと合わせると、疲れていた体は修復され、休まり、丸まって猫背になっていた体が徐々に真っすぐに伸びてきます。
体が真っすぐに近づいていけば、壁に真っすぐに立った時の頭と壁の間が短くなってくる、だから枕の高さも低くなっていくのです。
枕の高さ調整ではこれが実にやっかいです。
本来なら、寝てから朝起きるまで1mmの狂いもなくピッタリの枕で寝たいのですが、枕の高さは寝ている間に刻々と低くなっていくので、その都度低くしていかなければなりません。
では、寝ている間にどれくらい枕が低くなっていくかということなんですが、これは人によって実に様々です。
8時間寝ている間にタオル1枚分しか低くならない人もいれば、タオル10枚分ぐらい低くなる人もいます。平均で言うとタオル3枚分ぐらいでしょうか。
たまに、「ずーと寝続けていたら枕はどんどん低くなって、枕がなくなることはあるのでしょうか?」と聞かれることもありますが、それはありません。
ある程度の高さまで枕が低くなったら、そこで落ち着いて枕はそれ以上低くはならなくなります。
また、枕の高さはタオル1枚分ずつしか低くなっていきません。枕を合わせるのを何時間もほったらかしたからと言って、タオル2枚分とか3枚分が一度に低くなることはないのです。
それは、猫背が伸びて、姿勢が良くなっていく変化は枕の高さがピッタリと合っている時にしか起こらないから。
枕が低くなった時にいくら寝ていても、それ以上背筋が伸びることはないのです。だから枕は1枚ずつしか低くなっていきません。
寝ている間に枕を1枚ずつ自分で低くしていくのはほぼ不可能ですよね。誰か一晩面倒を中見てくれて、枕を調整してくれたらありがたいのですがそうもいきません。
ですので、お勧めの方法としては。
完全に眠りに就く前に枕の高さを合わせて15分ほど横になります。15分の間にほとんどの方がタオル1枚か2枚分は枕が低くなるので、そこで枕の高さを合わせてから寝るようにします。
これだけでも枕の高さが合っている時間がずいぶん長く取れます。
さらに、夜中に目が覚めた時に、タオルを1枚取り、枕を低くします。3時間、4時間以上寝た時にはほぼ間違いなく枕は低くなりますので、呼吸が深く出来るかどうかなどは確認する必要もなく、目が覚めた時には無条件でタオルを1枚抜き取ればたいがい高さが合います。
また、目が覚めたり、意識が多少戻る時は枕の高さが合っていないので、苦しくて目が覚めたり、意識が戻ったりしている状態でもありますので、タオルを1枚取る事で楽になってまた深い眠りに就くことが出来ます。
【枕の高さは毎日変わる】
枕の高さは寝ている時に変わっていくことは理解していただいたと思いますが、もちろん枕の高さは毎日変わります。
それは、毎日体の疲れが違うから。
疲れている時体は猫背ぎみに丸まっていきます。前述の通り、体が丸まれば枕の高さは高くなります。
運動をしたり、ハードな仕事をこなした日の夜は、枕が普段より高くなっている。
ですので、毎日枕の高さを調整して上がる必要があるのです。
枕は1回作って終わりではありません。毎日高さを調整しなければいけませんし、寝ている間も調整しなければいけません。
これは非常に面倒な事かもしれません。でも、この方法に慣れて習慣にしてしまえば、簡単なことですし、これだけで睡眠の質が上がり、健康な体を手に入れられるのならやる価値は十分にあります。
また、枕の高さを合わせるのは、最初はなかなか難しいと思います。
最初からいきなり出来てしまう方も多少はいますが、ほとんどの方が難しいと感じるかと思います。
しかし、枕の調整はなんとなくでもいいので、毎日続けることが重要です。1カ月、2カ月と毎日枕の高さを合わせているうちに、いつの間にか自信を持って枕の調整が出来るようになります。
何事も続けることが大事であるように枕調整も毎日続けることが大事なんです。
【枕の高さはベッドの硬さによって変わる】
枕の高さはベッドや敷布団の硬さによっても全く違ってきます。
柔らかいベッドになればなるほど、枕は高くなっていきまし、逆に硬いベッドになればなるほど枕は低くなっていきます。
ベッドが柔らかいということは、寝ている時、体は丸くなって猫背になるということです。
猫背になると、枕の高さは高くなるので、柔らかいベッドに寝ると枕は高くなります。
このことからも解るように、ベッドは堅ければ硬いほど姿勢が良くなるので、健康にはいいわけです。一番いいのは畳の上に直に寝ること。
さすがに、畳の上に直では体が痛いと思うので、あとは寝心地との問題ですので、自分に合った硬めのベッドを選んでみてください。